Collection: Daitoku

鍛冶安 大徳

創業明治27年の鍛冶屋の5代目、父親は高度経済成長の影響を受け、その時すでに時代から取り残され始めていた鍛冶業を継がず建築業に従事し、大徳本人も体育教師を目指し大学に進学。しかし、実家へ帰省している間に、すでに亡くなっていた祖父の工場に包丁の修理や注文をしにやってくる人々を見て、鍛冶屋になることを決意。京都の老舗店で数年修業を積み、三重の祖父の工場で鍛冶業を始める。柄と頭の分業生産が主流の打ち刃物において、頭から柄まで一貫して自身で制作を行うのは、『すべての工程で自分自身で責任を持つ』という強い思いから。

ホームページやメールアドレスも有さず、地元の漁師や農家からの依頼や、口コミからの電話注文のみを主として鍛冶業を営むという、昔ながらの野鍛冶の方法を今でも続けている。 そのすべての包丁を角砥に当てて手で仕上げることで、切れ刃を限りなく平面に近づけ、試し切りや円砥だけではわからない品質の管理を行っている。

また、妻は東京に出店すると15分以内に完売してしまうという三重でも有名なベーカリーで、その妻のために作ったパン切包丁は大徳の仕事を代表する一丁ですある。

包丁店にはめったに並ばない野鍛冶の包丁、打ち刃物独特の個性ある表情と、その丁寧に鍛え、砥ぎこまれた切れ味をぜひ味わってほしい。  

 

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